酸欠(さんけつ)は、酸素欠乏の略語ないしは通称であり、空気中の酸素の不足を表す言葉です!
この資料では
- どうして酸欠が危険なのか?
- 実際の作業でどこに酸欠の可能性があるのか?
を紹介していきます!
目次
酸欠になるとどうなる?
酸欠は空気中の酸素の不足を表す言葉と説明しましたが、どのくらいの酸素濃度で体にどんな変化が現れるのでしょか?
酸素濃度と体の変化
- 21%…空気中の酸素濃度
- 18%…安全の限界
- 16%…呼吸・脈拍の増加、頭痛、吐き気
- 12%…めまい、吐き気
- 10%…顔面蒼白、意識不明、嘔吐
- 8%…失神、7~8分以内に死亡
- 6%…瞬時に昏倒、呼吸停止、けいれん 6分で死亡
1気圧中の酸素濃度は約21%で、18%が安全限界とされ酸素濃度が18%を下回ると酸欠状態と定義されているみたいですね。
ちなみに8%未満では一呼吸で失神するので、すぐに助けが来なければ死亡フラグが立ちますね!!
酸欠は二次災害がこわい!
酸欠の災害が起きた際にとても多いのが二次災害、三次災害です。
酸欠で倒れても見た目では何が起こっているのか判断ができないことが多いです。
その為、助けに行った人が酸欠になり被災するという事例が非常に多い様です!
仮に酸欠のために倒れたのだと気付いても、無装備のまま助けに行って被災することがあります。
実作業に置き換えて考えてみましょう
ピットにハンマーを落としたため、Tくんがピット内に入ったところ倒れてしまいました。
それを見ていたSくんは
・・・ちがうちがう!すぐに助けなくちゃ!!
とピットに助けに入りました。
するとSくんも倒れてしまいました・・・
この状況であなたなら、ライフゼムを取りにいけますか?
仮に酸欠によって倒れていると気付いても
「ピットは浅いから息を止めてすぐに引っ張りだせは大丈夫!」
と考えませんか?
実はその考えが二次災害につながる落とし穴だったのです・・・
空気より重いガスはピット内に溜まるよ。
酸欠は我慢できない!?
危険な勘違いは息を止めても1分くらいは我慢できるから、酸素不足の気体を吸っても1分くらいは平気だろうなんていう考え方。
酸素不足の気体を一呼吸すると、それだけで人間はバタンと倒れてしまう。
倒れれば酸素が十分に含まれる環境中に助け出さないと危険である。
息を止めるのと、酸素不足の気体を吸うのとを同じように考えている人が極めて多いので要注意。
それではなぜ酸欠は我慢できないのでしょうか?
ヒトは主に肺胞でガス交換をしている。肺胞の毛細血管から肺胞腔に出てくるガスの酸素濃度は状況によって幅が見られるものの、一般的には約16%程度であり、これが空気中の21%の酸素と濃度勾配に従って交換される。したがって1回でも酸素16%以下の空気を吸うと、肺胞毛細血管中の酸素が逆に肺胞腔へ濃度勾配に従って引っ張り出されてしまう[注釈 1]。更には血中酸素が低下すると延髄の呼吸中枢が呼吸反射を起こして反射的に呼吸が起こり、呼吸をすると更に血中酸素が空気中に引っ張られると言う悪循環が起こる。
引用元:Wikipedia
つまり
酸素濃度16%以下の空気を一度でも吸ってしまうと、息を止めていることよりも体内酸素量が減ってしまう!
↓
そして、一度でもその状態になると、反射的に呼吸をしてしまう!
↓
呼吸をするたびに酸素は失われていく!
と、解釈しました!
まとめ
- 酸欠は酸素濃度18%以下のこと
- 酸欠は自分では気がつかない
- 酸欠は二次災害、三次災害が多い
- 酸欠は我慢できない
- 酸欠は身近に潜んでいる
ちょっとふざけましたが、酸欠は本当に一歩間違うと取り返しのつかない災害になってしまいます。
ピットに入る際は酸素濃度計を使う!
ガスを使用している設備の開口部には安易に顔を近づけない!
基本ですが今一度見直していきましょう。