テレビドラマや映画で、武田信玄率いる武田軍の中に百足(ムカデ)の描かれた旗を持っている武士がいるのを見かけたことはありませんか?
他の武士達は家紋や文字の入った旗を掲げています。
ムカデって見た目も気持ち悪いし、毒を持っていて噛まれると激痛が走るそうです。
そんな害虫のムカデを、縁起を重んじていた当時の武将がなぜ合戦場に持ち込んでいたのでしょうか?
そこで今回は
武田軍のムカデの旗の意味や役割、由来を調べていきたいと思います。
ムカデの家紋が入った旗の意味
ムカデの家紋が入った旗について調べてみると、実は家紋ではなく旗指物というもので、自らの役割や位置を示す物だったのです。
ムカデの旗を掲げていたのは武田信玄の側近として仕えていた12人の「使番(つかいばん)」で、ムカデの旗を持っていることから、彼等は『百足衆(むかでしゅう)』と呼ばれていました。
- 使番(百足衆)の役割
使番とは伝令役のことで、大将の指示や命令を各所に散って兵士たちに伝える役割を担っていました。
その使番がムカデの旗を持っていることが使番としての目印になっていたんですね。
ちなみに武田軍の使用していた旗のムカデには48本の足があったと言われています。
これは百足衆12人の手足の数を足した数と同じになります。
では何故ムカデの印だったのでしょうか?
旗に描かれたムカデ印の由来
今は害虫として好まれることのほぼ無いであろうムカデですが、当時は別の見方をしていたようですね。
ムカデを旗印にしたことにはたくさんの理由があったようです。
ムカデは戦いの神『毘沙門天』の使いとされていた
毘沙門天は仏教で四天王の一人として数えられる闘神です。その為、武将からも人気も高かったようです。
ムカデはそんな毘沙門天の使いとされていたので、ムカデもまた当時の武将から好まれていたんですね。
ムカデは後ろに退がらない
ムカデは後退(後ろに退がらない)しないそうです。そうした特性が戦の際の後退しない(負けない)に繋がっているようです。
また、ムカデの旗は伝令役である百足衆が持っていました。
一度放たれた伝令(情報)は容易に取り消すことが出来ない、元には戻らない。そんな意味合いも後ろには下がれないムカデと同じ意味を持っています。
ムカデの性質にも起因している
ムカデはそのたくさんの足で俊敏に動き回ります、さらに性格は非常に攻撃的で獰猛。
まるで甲冑のような甲殻は頑丈で潰されたり、体を半分に切られてもしばらくは生きていられる生命力を持っています。
そんなムカデだからこそ武将に好まれていたのでしょう。
まとめ
今回は『風林火山』で有名な武田信玄率いる、武田軍の中にいるムカデの旗をもった兵士とムカデの旗の意味、ムカデが印に採用された由来や意味について調べてみました。
- ムカデの旗印を持っていてのは百足衆と言われる12人の伝令部隊
- ムカデは毘沙門天の使いとされていた
- ムカデは後退しない(負けない)ムカデは獰猛、頑丈、強い!だから武将に好まれた
ムカデの旗にこんなにも意味や想いが込められていたんですね。
個人的には百足衆の手足の数と旗に描かれたムカデの足の数が同じということに痺れましたね!
最後までご覧いただきありがとうございました。